女性経営者が安心できるファクタリング会社の選び方
「ファクタリングって…何ですか?」。
正直なところ、これが私の最初の反応でした。
千葉県船橋市で、父から継いだ建設会社を経営している佐藤美咲と申します。
現場で職人さんたちと汗を流す毎日ですが、会社の悩みはやっぱり「お金」のこと。
特に私たち建設業は、工事代金の入金が数ヶ月先になることも珍しくありません。
そんな時、銀行さんからポロッと出てきた「ファクタリング」という言葉。
カタカナが苦手な私には、なんだか難しくて、ちょっと怖いものに聞こえたんですよね。
でも、「知らないことは恥じゃない、知ろうとしないことが恥」というのが私のモットー。
同じように資金繰りに悩む、特に女性の経営者さんにとって、安心して頼れる会社をどうやって見つければいいのか。
このブログでは、私が必死に勉強したノートを、そのまま皆さんにお見せするつもりで、私の体験談を包み隠さずお話ししますね。
目次
ファクタリングって実際どうなの?
カタカナにビビらず、まずは基本を知ろう
「ファクタリング」って言葉、なんだか身構えちゃいますよね。
私も最初はそうでした。
でも、分かってしまえば意外とシンプルなんです。
一言でいうと、「入金待ちの請求書(売掛金)を、専門の会社に買い取ってもらって、すぐにお金に換える仕組み」のこと。
例えば、100万円の工事が終わって請求書を出しても、入金が2ヶ月後だとします。
でも、職人さんへのお給料や材料費は、今すぐ払わないといけない…。
そんな時にファクタリング会社にお願いすれば、手数料は引かれますが、最短でその日のうちに現金が手に入る、というわけなんです。
借金とは違うので、いざという時のための「賢い道具」の一つ、と考えると分かりやすいかもしれませんね。
銀行融資との違いって?メリット・デメリットを整理
「お金を調達するなら、銀行の融資と何が違うの?」って思いますよね。
私も母(元経理担当なんです)と、そこのところをじっくり話し合いました。
一番大きな違いは、審査で見られるポイントです。
比較ポイント | ファクタリング | 銀行融資 |
---|---|---|
審査の対象 | 取引先(請求先)の信用力 | 自社の経営状況・実績 |
調達スピード | 最短即日~数日 | 数週間~1ヶ月以上 |
信用情報への影響 | 影響なし(借金ではない) | 記録が残る |
担保・保証人 | 原則不要 | 必要になることが多い |
手数料・コスト | 金利より高め | 手数料よりは低い |
銀行さんは、うちの会社の「成績表」をじっくり見て判断します。
一方でファクタリングは、請求書を出した相手、つまり取引先さんの信用力が大事になるんです。
だから、赤字決算だったり、創業してすぐだったりしても利用できる可能性があるんですね。
もちろん、手数料が少しお高めだったりするので、そこはしっかり理解しておく必要があります。
「債権譲渡」って怖いこと?誤解と本当の意味
契約の話になると必ず出てくるのが「債権譲渡(さいけんじょうと)」という言葉。
正直に白状しますと、私、これを最初に聞いたとき「え、借金を誰かに譲るってこと!?」って、とんでもない勘違いをしてしまったんです(笑)。
でも、全然違うんですよ。
債権譲渡とは…
借金ではなく、「お金を受け取る権利(=請求書)」を他の人に譲ること。
つまり、ファクタリング会社に「うちの会社に代わって、取引先からお金を受け取ってくださいね」と、その権利を譲る手続きのことなんです。
決して、会社の借金を押し付けるような怖い話ではありません。
この言葉の意味を正しく知るだけでも、不安がスーッと軽くなりました。
女性経営者が抱える“特有の不安”
男性社会の中で「ちゃんと説明してもらえる?」問題
私が働く建設業界は、ご存じの通り、まだまだ男性が中心の世界です。
だからこそ、お金の話になると、余計に不安を感じることがありました。
「専門用語ばかり並べられて、質問しにくい雰囲気だったらどうしよう…」
「ちゃんと、私にも分かるように説明してくれるのかな?」
特にファクタリングのような、まだ馴染みのないサービスだと、その不安は大きくなりますよね。
現場で鍛えられた私でも、やっぱり最初は緊張しました。
「なめられたくない」けど「分からない」とも言いづらい…
女性経営者の皆さんなら、一度は感じたことがあるかもしれません。
「女性だからって、甘く見られたくない」という気持ち。
私も、父から会社を継いだ時は、取引先から「お嬢ちゃんで大丈夫か?」なんて言われたこともありました。
だからこそ、毅然としていたい。
でも、心の中ではこう思っているんです。
「正直、分からないことだらけ…」
「でも、『そんなことも知らないの?』って思われたらどうしよう…」
このプライドと不安の板挟みが、本当に苦しいんですよね。
分からないことを「分からない」と素直に言うのって、すごく勇気がいることなんです。
家族や従業員に迷惑かけたくない気持ち
会社は私一人のものじゃありません。
毎日頑張ってくれる従業員さんたち。
経理を手伝ってくれている母。
そして、「お母さん、頑張ってね」と応援してくれる娘。
みんなの生活がかかっていると思うと、資金繰りが苦しいなんて、簡単には言えません。
従業員さんへのお給料を遅らせるわけにはいかないし、家族に心配もかけたくない。
この「誰にも迷惑をかけたくない」という気持ちが、私たち経営者の肩に重くのしかかっているんだと思います。
安心できるファクタリング会社を選ぶ5つの視点
① まずは「話しやすさ」重視!女性対応の有無もチェック
私が一番大事にしたのは、これかもしれません。
難しい契約の話の前に、人として「この人になら相談できる」と思えるかどうか。
専門用語を並べるのではなく、こちらの状況を親身になって聞いてくれるか。
その姿勢が、信頼できるかどうかの最初のバロメーターになります。
最近は、女性スタッフが対応してくれる会社も増えているみたいです。
もし不安なら、問い合わせの時に「女性の方とお話しできますか?」と聞いてみるのも、一つの手だと思いますよ。
② 「手数料は安ければいい」じゃない!明確な説明があるか
もちろん、手数料は安い方が嬉しいです。
でも、「安さ」だけで飛びつくのは、ちょっと待ってください!
なぜその手数料になるのか、内訳(基本手数料、登記費用、印紙代など)をきちんと説明してくれる会社を選びましょう。
「とにかく安いです!」としか言わない会社は、後から「あれもこれも追加で…」なんてことになりかねません。
納得できるまで、しっかり説明を求めることが、後悔しないための鉄則です。
③ 契約書を一緒に読み解いてくれるか(←ここ大事!)
契約書って、本当に難しい言葉が並んでいますよね…。
これを「はい、読んでサインしてください」と渡してくるような会社は、私ならお断りします。
私が契約した会社の担当者さんは、私が持っていた手書きのメモを見ながら、「佐藤さん、この『償還請求権なし』っていうのが一番大事なポイントでして…」と、一つひとつ丁寧に説明してくれました。
契約書を一緒に、隣で読み解いてくれる。
この姿勢があるかどうかは、本当に、本当に大事なポイントです!
④ 対応スピードと柔軟性:建設業の“今すぐ払いたい”に応えてくれる?
私たち建設業は、急な材料費の支払いや、職人さんへの日払いなど、「今すぐ現金が必要!」という場面が突然やってきます。
そんな時に、「審査に1週間かかります」では間に合いませんよね。
- 問い合わせへの返信は早いか?
- 最短でいつ入金してくれるのか?
- こちらの業界の事情を理解してくれるか?
会社の「今」の状況に、柔軟に対応してくれるスピード感があるかどうか。
これは、特に私たちのような業界にとっては、生命線とも言える視点です。
⑤ 実績と信頼性:他の業界・同業者の口コミも参考に
やっぱり、実際に利用した人の声が一番参考になります。
会社のホームページに載っている「お客様の声」も大切ですが、できればネットの口コミサイトや、もし可能なら同業者の評判も調べてみましょう。
特に、自分と同じ建設業界での実績が豊富かどうかは、一つの判断材料になります。
業界特有の商習慣を分かってくれていると、話がスムーズに進むことが多いですからね。
私の実体験レポート:こうやって選びました
初回面談の服装ミスと気づき(笑)
ここだけの話、私、最初のファクタリング会社さんとの面談に、いつもの作業着で行ってしまったんです。
そしたら、担当の方に苦笑いされながら「次回からは、もう少しフォーマルな服装でお願いできますと…」と言われてしまって。
顔から火が出るかと思いました(笑)。
でも、この失敗のおかげで気づいたんです。
これはビジネスの、ちゃんとした契約なんだって。
相手への敬意も大事だし、こちらも「経営者」として見られているんだ、と身が引き締まる思いでした。
質問攻めにして見えた「信頼できる担当者」の特徴
「知らないことは恥じゃない」を実践すべく、私はとにかく質問攻めにしました。
「この手数料の内訳は?」「この条文の意味は?」「もし取引先が倒産したら?」。
正直、ちょっと嫌がられるかな…?とも思ったんです。
でも、私が最終的に選んだ会社の担当者さんは、嫌な顔一つせず、私のどんな素朴な疑問にも、全部丁寧に答えてくれました。
その誠実な姿を見て、「あ、この人なら信頼できる」と確信できたんです。
手書きメモが役に立った瞬間
私は意外とアナログ派で、大事なことは手書きのノートにメモする癖があります。
ファクタリングについて勉強したことも、疑問点も、全部小さなノートに書き込んでいました。
面談の時、そのノートを見ながら質問したんです。
そうしたら、担当者さんが「佐藤さん、すごく勉強されてるんですね。そのノートの3番目の疑問ですが…」と、私のメモに合わせて説明してくれて。
自分の言葉で書いたメモが、深い理解につながるし、相手にも熱意が伝わるんだな、と実感した瞬間でした。
「家族にも安心して話せるか?」を判断軸にした話
いくつか候補の会社さんとお話しして、最後に迷った時、私が自分に問いかけたのはこの一言でした。
「この会社とのこと、胸を張って夫や母に話せるかな?」
もし、何か後ろめたい気持ちがあったり、「ちょっとこの会社、大丈夫かな…」という不安があったりしたら、きっと家族には話せないはずです。
大切な家族に、安心して報告できるかどうか。
これが、私にとっての最後の決め手になりました。
経営の判断ですが、自分の心に嘘がないかを確認する、とても良い判断軸だったと思っています。
今後のために:チェックリストと備え
見極めポイントを一目で分かる!簡単チェックリスト
色々お話ししましたが、最後にチェックリストにまとめました。
ぜひ、会社選びの参考にしてくださいね。
- [ ] 担当者は親身になって話を聞いてくれるか?
- [ ] 女性スタッフの対応は可能か?
- [ ] 手数料の内訳を明確に説明してくれるか?
- [ ] 契約書を一緒に読み解いてくれる姿勢があるか?
- [ ] 「償還請求権なし(ノンリコース)」の契約か?
- [ ] 入金までのスピードは自社のニーズに合っているか?
- [ ] 建設業など、自社の業界での実績は豊富か?
- [ ] 家族や従業員に、胸を張って報告できる会社か?
毎年見直したい契約条件と関係性
一度契約したら、それで終わり、ではありません。
会社の状況も、ファクタリング会社のサービスも、年々変わっていく可能性があります。
年に一度は、契約内容を見直したり、担当者さんとコミュニケーションを取ったりして、「今の自社にとって、本当にベストな選択か?」を考える時間を持つことが大切だと思います。
より良い条件の会社が見つかるかもしれませんしね。
緊急時に慌てない!事前にやっておきたいこと
いざ「ファクタリングを使いたい!」と思った時に慌てないように、事前に準備しておくとスムーズです。
- 必要書類の確認: 決算書、入金確認用の通帳のコピー、請求書など、一般的に何が必要か把握しておく。
- 相談先のリストアップ: 候補となるファクタリング会社を2〜3社リストアップしておく。
- 社内での理解: 経理担当の母には、事前にファクタリングの仕組みを説明し、理解を得ておきました。
備えあれば憂いなし、ですね。
まとめ
ここまで、私の体験談にお付き合いいただき、ありがとうございました。
最初は「カタカナで怖い…」と思っていたファクタリング。
でも、正しく知って、信頼できるパートナーを見つければ、それは会社を守るための“賢い道具”になるんだと分かりました。
特に、私たち女性経営者は、相談しにくかったり、一人で抱え込んでしまったりすることがあるかもしれません。
だからこそ、心から納得できる相手を選んでほしいと、強く思います。
この記事が、私と同じように奮闘するあなたの「娘に胸を張れる経営」を、少しでも後押しできたなら、こんなに嬉しいことはありません。
まだまだ修行中の私ですが、一緒に頑張っていきましょうね!