失敗談・注意点

ファクタリングで失敗した話 – 契約書を読まずに判子を押した結果

こんにちは、千葉県船橋市で建設会社を経営している佐藤美咲です。

正直なところ、今日はちょっと恥ずかしいお話をします。
それは、私が初めてファクタリングというものを利用した時の、大きな失敗談です。

きっかけは、建設業ならではの資金繰りの悩みでした。
そんな時、藁にもすがる思いで飛びついたファクタリングで、私は契約書をほとんど読まずに判子を押してしまったんですよね。

この記事は、そんな私の等身大の失敗から学んだことを、特に同じような境遇にいる女性経営者の皆さんに向けて、包み隠さずお話しするものです。
この記事を読んで、「自分だけじゃなかったんだ」と安心したり、同じ失敗を避けるためのヒントを見つけてもらえたら、これ以上嬉しいことはありません。

関連記事:ファクタリングって何?建設業の女性社長が一から学んだ基本講座

資金繰りの壁と「ファクタリング」との出会い

建設業ならではの入金タイムラグと支払いサイクル

私たち建設業って、工事が終わってから実際にお金が入ってくるまでに、結構時間がかかるんです。
でも、職人さんへのお給料や材料費の支払いは待ってくれません。

特に、うちみたいな小さな会社だと、このタイムラグが経営に直接響いてくるんですよね。
「来月には大きな入金があるのに、今月の支払いが厳しい…!」なんてことは、日常茶飯事だったりして。

「ファクタリングって何?」から始まった私の学び

そんなある日、銀行の担当者さんから「佐藤さん、ファクタリングっていう資金調達の方法もありますよ」と教えられました。
ファクタリング…?正直、カタカナが苦手な私には、何のことだかさっぱりで。

「それって借金とは違うんですか?」なんて、今思えばトンチンカンな質問から私の学びは始まりました。

銀行や周囲の反応と、情報の「男性目線」への違和感

周りの先輩経営者に聞いても「聞いたことないなあ」という反応ばかり。
ネットで調べてみても、なんだか難しい言葉が並んでいたり、書かれているのが男性の経営者さんばかりで、いまいちピンとこなかったんです。

「女性経営者の私みたいな場合はどうなんだろう?」
その違和感が、自分で学んで、自分の言葉で発信しようと思ったきっかけの一つでもあります。

「とりあえずやってみよう」と思った背景

ちょうどその頃、少し大きめのリフォーム案件で材料費の支払いが重なってしまって。
もう、とにかく目の前の支払いをどうにかしなきゃ、という一心でした。

  • 職人さんへの支払いを遅らせるわけにはいかない。
  • 材料がないと工事が止まってしまう。
  • 娘のためにも、会社をしっかり守らないと。

そんな焦りもあって、「よく分からないけど、とりあえずやってみよう!」と、ファクタリング会社のドアを叩くことにしたんです。

初めてのファクタリング体験で何が起きたのか

面談当日の“服装ミス”で感じた温度差

まずやらかしたのが、服装でした。
いつも通り、現場から直行で作業着のまま面談に行ってしまったんです。
そしたら担当の方に、「あ、えーっと…もう少しフォーマルな服装で来ていただけると…」と、少し困った顔をされてしまって。

その瞬間に「あ、ここは現場じゃないんだ」と、なんだか場違いな気がして、少し気後れしてしまったのを覚えています。

契約書に出てきた「債権譲渡」の意味が分からず…

そして、いよいよ契約書の説明。
そこで出てきた「債権譲渡(さいけんじょうと)」という言葉が、もう全く分からなくて。

「債権を譲渡する…?え、それって借金を誰かに譲るってことですか?」
担当の方にそう聞いたら、「いえ、売掛金、つまりこれから入ってくるお金を受け取る権利を、弊社に売っていただくということです」と説明されたんですが、その時の私は焦りもあって半分くらいしか理解できていませんでした。

その場の空気に流されて「とにかく判子を押してしまった」

分からない言葉だらけで頭が真っ白になっているのに、担当の方はテキパキと説明を進めていく。
「何かご質問は?」と聞かれても、何が分からないのかすら分からない状態。

「ここで質問したら、無知だと思われるかな…」
「女性だからって甘く見られたくない…」
そんな見栄と焦りから、「はい、大丈夫です」と答えて、内容をよく理解しないまま、言われるがままに判子を押してしまったんです。

後から気づいた手数料の高さと想定外の条件

無事に資金を調達できてホッとしたのも束の間。
後から事務所で母と一緒に契約書を見直して、手数料を計算してみたら…「あれ?合わない…」。
電卓を叩き直しても、思っていたよりずっと高い金額が引かれていたんです。

よくよく小さな文字を読んでみたら、基本手数料の他に、なんだかんだと費用がかかる条件になっていました。
「しまった…」と思った時には、もう後の祭りでした。

失敗から学んだ教訓と今後の対策

契約書は「読まなきゃダメなんです」本当に

当たり前のことなんですけど、この失敗から学んだ一番の教訓はこれです。
どんなに焦っていても、相手に急かされても、契約書は隅から隅まで、ちゃんと自分の目で読まなきゃダメなんです。
これはもう、本当に、声を大にして言いたいです。

わからない言葉は「その場で聞いてOK」な勇気

「こんなこと聞いたら恥ずかしいかな?」なんて思う必要は全くありませんでした。
むしろ、分からないことを分からないままにしておく方が、よっぽど後で恥ずかしい思いをします。

「すみません、この『債権譲渡』っていうのは、つまり、こういうことですか?」

こんな風に、自分の言葉で確認する勇気が、自分のお金と会社を守るためには絶対に必要なんですよね。

ファクタリング会社を選ぶ時のチェックポイント

この失敗を糧に、次に利用する時のために、私なりにチェックポイントをまとめました。
現場用のノートにびっしり書いた、私のメモ術の成果です!

会社の信頼性や実績を見る

  1. 会社のホームページをしっかり見る:いつ設立された会社か、実績はどれくらいあるかを確認します。
  2. 口コミを調べる:実際に利用した人の声を参考にします。ただし、良いことばかり書いてあるのは少し怪しいかも、と思ったり。

手数料の計算方法を事前に確認

  1. 見積もりをもらう:契約前に必ず見積もりを出してもらいます。
  2. 手数料の内訳を聞く:「基本手数料の他に、費用はかかりますか?」とハッキリ聞くことが大事です。

納得いくまで質問する姿勢が大事

  1. 小さな疑問も残さない:「念のための確認ですが…」と前置きしてでも、全部聞きます。
  2. 即決しない:「一度持ち帰って検討します」と言って、冷静になる時間を作るのも一つの手です。

「次に活かすために」私が始めた勉強法とメモ術

今では、分からない金融用語が出てきたら、すぐにスマホで調べたり、銀行の担当者さんに聞いたりしています。
そして、教わったことは必ず現場で使っている小さなノートにメモする。
「知らないことは恥じゃない、知ろうとしないことが恥」
父から教わったこの言葉を、今になって噛み締めています。

女性経営者として伝えたいこと

「女性だから知なくて当然」ではなく「知ろうとする姿勢」を

建設業界って、まだまだ男性社会なところがあります。
だからって、「女性だから金融のことはよく分からなくて」なんて甘えていたら、対等なパートナーとして見てもらえないんですよね。

むしろ、「女性だからこそ、しっかり勉強しています」という姿勢を見せることが、信頼に繋がるんだと、この失敗を通じて学びました。

建設業界での信頼獲得と資金調達のリアル

現場で職人さんたちと信頼関係を築くのも、金融機関や取引先と信頼関係を築くのも、基本は同じなんだと思います。
誠実であること、そして、分からないことは素直に教えを請うこと。

資金調達は、会社を経営していく上で避けては通れない道です。
だからこそ、私たち経営者自身が、しっかり知識を身につけていく必要があるんですよね。

「娘に胸を張れる経営」を目指して

時々、娘に「お母さん、お仕事がんばってね」って言われるんです。
その言葉を聞くたびに、この子のために、胸を張れる経営をしなきゃなって、背筋が伸びる思いがします。

今回の失敗は痛かったですが、この経験も、いつか娘に「お母さんも昔はこんな失敗したんだよ」って笑って話せる日が来ればいいなと思っています。

女性目線の情報発信の大切さと意義

私が今回、こうして自分の失敗談をお話ししようと思ったのは、ネットで情報を探した時に、同じような女性経営者のリアルな声が見つからなかったからです。

もし、昔の私と同じように、一人で悩んでいる女性経営者の方がいたら。
「大丈夫、私もそうだったよ」って、伝えたい。
そんな思いで、この記事を書いています。

まとめ

私のファクタリング失敗談、いかがでしたでしょうか。
改めて、今回の経験を振り返ってみたいと思います。

  • 失敗の背景:建設業特有の資金繰りの悩みと、ファクタリングへの知識不足、そして「早くなんとかしなきゃ」という焦りがありました。
  • 直接的な原因:契約書をよく読まず、分からないことを質問せずに、その場の空気に流されて判子を押してしまったことです。
  • 得られた学び:契約書を熟読すること、分からないことはその場で聞く勇気、そして会社選びの重要性を痛感しました。

「知らないことは恥じゃない、知ろうとしないことが恥」
この言葉を胸に、私はこれからも経営者として学び続けていこうと思います。

もし今、あなたが資金繰りで悩んでいたり、ファクタリングを検討していて不安を感じているなら。
安心してください、失敗から始めても大丈夫です。
私のこの体験が、あなたの次の一歩を、少しでも後押しできたら嬉しいです。